気が付いたら
下伊那漁協の
渓流釣り解禁まで1ヶ月を切っていました。
2月16日解禁です。今からそわそわしています。
先日も”ふるきん(飯田市の釣具店)”へ行ってきたのですが、
店の棚に並べられた竿を眺めているだけでわくわくしてきます。
去年の秋から冬にかけて、週末も忙しい時期が続きましたが、
来月からはどうでしょう。
寒い冬を乗り越えて、お腹をすかせた
アマゴたちに
美味しいイクラを食わせてあげたくて仕方がありません!
テーマ:フィッシング - ジャンル:趣味・実用
八ヶ岳核心部 目次
本沢温泉の宿の前でまたも休憩した。ここには木で作られたテーブルとイスが用意されていて、登山者が自由に休んでいくことができるようになっている。
取りあえず缶ビールで乾杯しておく。あくまで取りあえずである(笑)。するとサノさんがバックの中からシャウエッセンをとりだした。
サノ「これを茹でるとメチャメチャ美味いんですよ。ええ」
これが今では我々の間で定番となった“茹でシャウエッセン”との出会いの瞬間である。サノさんはなんと専用のマスタードも買ってきていた。強力なパートナーを得て、快調なペースでビールが減っていく。
ツッキー「あれ? ビール終わっちゃったね」
サノ「ああ、じゃあ僕が買ってきましょうか。ええ」
ツッキー「悪いね、サノちゃん」 サノさんがビールを買いに行っている間に、タローさんから衝撃的な告白があった。
タロー「あ、しまった! どうしようかなぁ。まいったなぁ…。でもなー、黙っていてもしょうがないしなぁ。いずれは言わなくてはならないんだし…。あー、どうしよ。んー」 太郎さんが問わず語りモードに入っていた。断片的に聞こえてくる言葉の内容から、僕は答えを推測していた。
ぼく「タローさんもしかして…」
タロー「あ、ええ、分かります? あ、待ってください、自分からいいます」
ツッキー「ははは! なに、太郎、車の鍵を置いて来ちゃったの? 勘弁してよー。わっはっは!」
タロー「そうなんですよ。すいません。いやー、うっかりしてたなぁ。ははは」
ぼく「はっはっは! こりゃ参りましたねぇ。この辺に電話なんかないし。あ、でも小屋の人に言えば電波で通話する電話を貸してくれるかも」 こんな山奥の山小屋まで電話線が来ているわけがない。でも中継基地まで電波で飛ばすタイプの電話が置いてあるはずである。何とか小屋の人に事情を話せばそれを貸してくれるかもしれない。
対策を話し合っていると、ビールを買い終えたサノさんが戻ってきた。
ツッキー「おおサノ、お疲れ。いやぁ聞いてよ、タローのヤツさぁ、どうやら自分の車の鍵をサノの車の中に置いて来ちゃったみたいなんだよ。ははは(笑)」サノ「え、なんですって! しゃれになってないっスよぉ(怒)!」ツッキー「…まあまあサノちゃん、小屋の人に相談してみようよ。もしかしたら電話借りられるかもしれないしさぁ。大丈夫、大丈夫…」
とにかくみんな酔っぱらっていた。
怒りにふるえるサノさんを一生懸命なだめるツッキーさんだった。
つづく
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八ヶ岳核心部 目次
いうまでもないが、今でも八ヶ岳は自然が豊富な山域である。道を歩いていると野生のブルーベリーを目にすることもある。戦後まもなくまでは動物もたくさんいて、リスや鹿はもちろん、大量のウサギがこの森を住みかとしていたそうだ。何故今日これらの動物をほとんど目にしなくなってしまったかは、これまたいうまでもないだろう。
ブルーベリーの林を右に左に抜けながら、登山道は徐々に高度を落としていく。背後の木々の間から爆裂火口壁が見え隠れするようになる頃、川の流れる音が聞こえてくるようになった。2年前にこの道を通ったときの記憶によると、そろそろ本沢温泉に着く頃だ。
やがて道は川を見下ろす土手を下るルートになった。そしてしばらく進むと土手の下の方にたたみ三畳ほどの温泉が見えた。
入口には、この先にある本沢温泉の宿で料金を払ってから利用してくれと書いてあった。しかし宿まではここから歩いて5分とほどある。宿の人には申し訳ないが、先に利用させてもらうことにした。
僕らが到着したときは、ちょうど先客が帰るときだった。脱衣場でさえ登山道からの視線を遮る物がない湯船である。この温泉に入るには車を置いてから最低でも2時間は歩かなくてはならない。標高が本邦第二位(2150m)であることも合わせて、まさに秘湯の中の秘湯といえる。
多少日焼けしていたからか、それとも体が冷えていたせいか、白く濁った色をしたお湯はひりひりとする印象だった。温泉に使っている部分が赤くなり、首に境界線が出来ていた。銀の指輪を付けたまま湯に入ったら黒く変色していた。
背後には爆裂火口壁がそびえている。
さっきまであの上にいたのだ。
僕らはゆっくりと、山を征服した満足感を味わうのだった。
つづく
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八ヶ岳核心部 目次
夏沢峠には2つの小屋がある。山びこ荘とこまくさ荘という山小屋が、小道を挟んで隣り合った場所にあるのである。小屋ヶ岳ともいわれるこの山域ならではの話だ。
地図上のコースタイムでは本沢温泉まで後40分であった。温泉でゆっくりしたかった僕らは、ここでは休憩せずにそのまま先を急ぐことにしていた。
ところが山びこ荘の前を通りかかったときのことである。小屋の主人と思われるひげ面のおやじが僕らを呼び止めた。
ご主人「良かったら上がってお茶でも飲んで行くかい?」
ぼくら「いいんですか?」
ご主人「ああ、いいともいいとも。大歓迎だよ」 タロー「やったね。ちょうど疲れていたところだったから助かったね」
ぼく「それにしても親切ですね。ちょっと休んでいけだなんて、他の山小屋では考えられないですよ」
ツッキー「ま、日頃の行いでしょ」 こうして僕らは親切な主人の好意に甘えることにした。
ところが…。
ご主人「なんだ。君は女の子じゃないのかい?」
ぼく「え、僕ですか? 正真正銘の男ですが…」
ご主人「がっはっは! なんだそうなのか! はっはっは!」 …なんと彼は、その当時(’96)髪が長かった僕を女の子と間違えたから僕らをお茶に誘ったらしい。確かにその時、僕は髪を伸ばしていた。いわゆる『ロンゲ』である。今聞くと懐かしい響きがある(笑)。
ご主人「わっはっは! まあまあ、いいからお茶でも飲んで行きなさい。今日は客が少なくて暇なんだよ」
ぼく「は、はぁ。どうもありがとうございます…」 小屋の主人は自分の半生を語ってくれた。何しろ山小屋の管理人をやっているような人物である。普段滅多に聞けないような山の裏話、八ヶ岳の歴史や清里の移り変わりなどを聞くことがでした。
ご主人「あ、君。お茶のお変わりはどうだい?」ぼく「は、はい、頂きます…」
それにしても女の子と間違われたとは…。複雑な気持ちでお茶を頂く僕だった。
つづく
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八ヶ岳核心部 目次
小屋に帰ってきてみると、サノさんは復活できたようだった。多少眉間にしわが寄っていたが、それはいつものことである。早速荷物をまとめて出発することにした。
管理人にお礼を言って赤岳頂上小屋を後にした時には、時計はすでに10時をまわっていた。
今日はコースタイムでいうと5時間ちょっとでタローさんの車が停めてある本沢入口に到着する予定だ。まあ本沢温泉に入っていく予定なので実際はもう少しかかるだろう(…とこのときは気楽に考えていたのだが、実はたくさんの道草が必要だったのである…)。
小屋からの下りはかなり急だった。この山は傾斜角が45度くらいあるのだ。そういえば昨日の登りも大変だった。赤岳展望荘を過ぎた辺りから振り返ると、まるでイタリアンジェラートのようなその姿を見ることが出来た。きっとピラミッドを間近で見るとこんな感じなのだろう。いやそれよりも凄い迫力なのかもしれない。とにかく膨大な体積のかたまりが目の前にあるという感じだ。しかも今それを下りてきたばかりなのだ。
横岳の付近一帯は想像以上に険しい場所がいくつかあった。鎖場や鉄梯子、ロープによる補助など、初心者にはちょっと辛いかなと思うような場所がいくつも現れた。片側が切れ落ちた崖になっている岩壁沿いの道などは、こういうルートになれているはずの僕でさえ躊躇してしまうほどだった。
こういうときに注意しなければ行けないのは、足下もそうだが頭の方もよく見て歩かなくてはいけないということだ。足下ばかりを注意して歩いているときに急にザックに岩や木の枝が当たると、バランスを崩してしまってとても危険である。
それにしてもこの辺りは結構険しい。稜線から外れたところにも、突然数十階建てのビルのような巨大な岩がそそり立っていたりする。そこには所々に大きな亀裂があり、長い年月をかけて姿を変えてきたことが分かる。
ツッキー「あ、見ろよはっしぃ! あそこに人がいるぞ」
ぼく「えっ、あ! おお!」 なんとその巨大な岩でクライミングしている人たちがいる。経験のない者にとっては驚異的な光景だった。だいたいあの岩の麓までだって、どうやって行けばいいのか…。
八ヶ岳は奥が深い。
山域が広いということではなく、様々な顔を持っていて、訪れる人を飽きさせないのだ。
すっかり八ヶ岳に魅せられた僕らだった。
つづく
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八ヶ岳核心部 目次
朝一番はまだ体が固い。つまずきかけたときに次の足が出にくく感じる。滑落事故が起こるのも朝が多いと聞く。
いつもならゆっくりと歩く登りから始まるのだが、今日は今まであまり経験のない下りからのスタートである。
ほとんど空身に近い僕らは、どんどんペースを上げて先を急いだ。坂道を走るようにして駆け下りていく。行き交う登山者はやはり中高年が多かった。
「ちょっとすいませーん」と断って次々に抜かして行けるのは良いけど、やっぱり若者が少ないと寂しい。
途中にある中岳を通過して快調に飛ばす。阿弥陀岳は下から上までほとんど直登だったが、何しろに肩に食い込むザックがないからガンガン上がっていくことが出来た。
赤岳は完全に逆光の中にあり、まぶしい朝空の中で真っ黒なシルエットになっていた。南に見える形がきれいな山は編笠山か。その向こうには南アルプスも姿を見せている。そして振り返ると中央アルプス、その隣に御嶽山、そして北アルプスも見ることが出来た。平地を覆っていた雲海がいつの間にか消えかかっており、サノさんには申し訳ないがのんびりと360°の眺望を楽しむことが出来たのである。
そしておきまりの記念撮影をした。また、それぞれ一人ずつ写真を撮ったりした。ツッキーさんは来年の年賀状に使う写真にするらしい。なるほど、登山野郎ならそうするよね。
ツッキー「はっしぃ、ちょっとかっこよく撮ってよ。これを年賀状に使うからさぁ」
ぼく「はーい、撮りますよー」カシャ。
つづく
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小屋に戻って朝飯を食べた。他の客にまじってみそ汁をすする。昔はまずかったらしいが、最近の山小屋の飯は結構美味しいと思う。朝はあまり食べられない僕だが、この時はお代わりをしていた。
他のメンバーも結構食べたが、サノさんだけは食が進まないようだった。どうやら具合が悪いらしい。
サノ「ええ、ちょっとだめです。ああ、はい。だめそうです。ええ」 食事は終わったあとも、サノさんは動けなそうだった。昨日飲み過ぎたためだろうか。どうやら風邪ではないようなのでしばらく様子を見ることになった。
しかし、このままただ待っているのも時間がもったいない。この時まだ6時だったのだ。地図を見て残りの3人で話し合った結果、赤岳の隣の阿弥陀岳に行くことにした。コースタイムは往復で3時間ほど。まあ僕らの足なら2時間半といったところか。
ツッキー「じゃあな、サノ。小屋の人にいって薬もらえよ」
サノ「ええ、はい。まあ、そうですね、もらっときます。はい」 というわけで僕らは、具合の悪いサノさんを残し、水筒とカメラだけを持って阿弥陀岳を目指したのだった。
つづく

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